中国人の漢方薬とは

私がニューヨークに暮らしていた頃、体力がなくて、つらい時期がありました。
地下鉄の階段を登っただけで、息切れを起こすくらい体力がなくなって、困っていた時期がありました。
そんな私を見て、心配してくれた韓国人の友達が、中国人の先生がいる漢方薬専門の店があるから、漢方薬を煎じて飲んだほうがいいよ、と言い、その中国人の漢方の先生に予約を入れてくれたのです。

私はそれまで漢方薬を飲んだことがなかったので、なんだか怪しいな、とおもいながら、その韓国人の友達に連れられて、中国人の先生のところに行ったのでした。
漢方薬のお店には、壁一面に小さな引き出しが沢山あって、その一つ一つに漢方薬がはいっているのでした。
中国人の先生は、まず私の腕をとって脈を診ました。そして、舌を出すようにいいました。私は舌をべーっとだして見せました。
そして、紙に何か漢字で書き始めました。

その先生が言うには、私は本当なら、もうとっくに死んでいてもおかしくないくらい調子が悪いということでした。ただ、私は「気」が強いので、何とか生きているだけのことなのだ、ということでした。
突然、そう言われても、どうリアクションをとればいいのかわからず、ああ、そうですか、としか言いようがありませんでした。

そして、その中国人の漢方薬師のおじいさんは、小さな引き出しからあれこれ出しては、小分けにしていくのでした。広いテーブルには沢山の茶封筒が置いてあって、その上に多種多様な漢方薬が振り分けられていくのです。
見ていると、小豆のようなものもあれば、正体不明のものまでいろいろあって、まさか、トカゲのシッポなんか入っていないだろうな、と思ったりしました。

それぞれの茶袋の上に漢方薬が振り分けられると、アシスタントの人がそれを一つずつ袋に入れ始めました。そして、それを半日煎じて、飲むようにと言われました。

漢方薬を煎じるためには、ジャムをつくるような電気式のポット(鍋)が必要でした。そこにたっぷりの水を入れて、一袋分の漢方薬を入れて、スイッチを入れてふたをします。
朝スイッチをいれて、充分煎じられた夜になると、ほどんど水分がなくなったかのような漢方薬の姿がその鍋の中にありました。それをガーゼに包んで、マグカップの中にエキスを入れると、丁度マグカップ半分くらいの量の漢方薬がとれるのです。
それを飲むのは、勇気がいることでした。どろっとしていて、もの凄い味がするのです。
良薬口に苦しとはよく言ったもので、まさに漢方薬といった感じの味がしました。
それを私は1ヶ月続けました。なんとなく元気がついたような感じがするかな、といった具合でした。


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